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本『変身』 嶽本野ばら

『変身』 嶽本野ばら 小学館



ある朝、星沢皇児が妙に気がかりな夢から目を覚ますと、不細工だった自分の顔がハンサムな男に変わっていることに気づく。

思わず関西弁で絶句した彼は、悪い夢だと思ってもう一度鏡を覗き込む。

だがそこには、小池徹平と加藤成亮をミックスして岡田准一で仕上げたような顔が映っていた。

未だに信じられない状況に戸惑いながらも、今日が日曜日ということで新作漫画『エルドラド』を売りに行くことにした。

三十歳になってもボロアパートに住み、バイトで食いつなぎながら漫画家をしている彼は吉祥寺にやってきた。

吉祥寺通りをひたすら歩き、途中の花屋でローテローゼという薔薇を買い、いつもの場所にビニールシートをひいて漫画を売り始めた。

五年前から『エルドラド』連載を始めて今ではもう九巻。

今日も売れないだろうと考えながらもお客を待つことに。

だが今日は今までとは違い、約二時間で二十九冊が売られていった。

彼は買ってくれた人に対して本と一緒にローテローゼを渡した。

そしてローテローゼが最後の一本になったとき、待っていた客は来た。

ベレー帽を被る太った不細工な女子——ゲロ子だ。

「星沢先生の、お知り合いでござんすかいな?」

時代劇に出てくる人間のような口調で話す彼女に、自分は星沢皇児の弟であると嘘をついた。

さらに兄貴は実家に帰ったことや実家は北海道の富良野であると嘘を吐き、星沢皇児はしばらく戻ってこないと説明する。

そしてお得意様である彼女に本とローテローゼを渡すと彼は足早に立ち去った。

ハンサム顔になった彼の人生は大きく変わった。

バイト先の憧れの女の子とデートで「としまえん」のカルーセルエルドラドを見に行く。

少女漫画家としてデビューが決まり美人女性担当者もついた。

さらに映画化が決定し主演女優と仲良くなる。

ハンサムになったことで全ては良い方向に向かっている、と星沢皇児は思った。

しかし、現実の恋愛は、彼が描く少女漫画の恋愛ほど甘く優しいものではなかった。

<関連リンク>

本『ハピネス』

本『変身』

本『ロリヰタ。』

本『下妻物語』

本『下妻物語・完 ヤンキーちゃんとロリータちゃんと殺人事件』

本『ミシン』

本『ミシン2/カサコ』

本『ツインズ 続・世界の終わりという名の雑貨店』
(『ミシン』収録作品【世界の終わりという名の雑貨店】 続編)

本『タイマ』

本『エミリー』

本『鱗姫』

本『カルプス・アルピス』


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この記事に対するコメント

無題

最初はカフカの変身かと思いましたw
でもこの『変身』も読んでみたい・・・!
threeさん、続きが気になる書き方がうまいんだからもうっ!w

どうでもいいけど、映画『ハンサムスーツ』を思い出しました。

【2008/10/06 02:26】久我瀬アイザ #526cf0dbaf(URL)[編集]

無題


カフカの変身の方が有名ですからね。私は読んだことありませんが(´∀`;)
続きが気になってくれたのなら嬉しいです(・∀・*)読んでくれる方を惹きつける文章を小説でも書けるようにするため、本や映画のレビューを書いていますから。まあ、理由はそれだけじゃないんですけどね。

最近、CMやってますね。あれも変身するお話ですよね。

【2008/10/06 21:32】three #92ce3a43a4(URL)[編集]

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