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昔話『ふぁみキチ』3

この昔話は、イカレた学生たちの平凡な日常を淡々と描く物です。

過度な期待はしないでください。

先「ガールズトークしよう!」

私「レーシック手術でも受けましたか?」

そうだ、タイへ行こう!

先「男はみんな狼なんだよ!」

私「安心してください。狼だって獲物を選びますから」

男は狼なのよ~♪ 気をつけなさい~♪

先「しりとりしようよ。いけない後輩」

私「イソフラボン」

女の子が「ん! んぅー!」と悶える姿が好きです。

先「単語の始めにいけないをつけると何でもエロくなるよねー。不思議だねー」

私「ついていけない先輩」

笑ってはいけないファミリーレストラン。




先輩がワカメちゃんの声優が交代したことを思い出した時、私はワカメとこんぶの違いについて考えていました。

あまりに時間をかけて考えすぎたせいで私は、駄菓子の都こんぶを食べたくなりました。

先輩はコップに残ったジュースを飲みほしてから言います。

先「私とみりんちゃんの関係は、のび太君とドラえもんみたいな関係だよね」

私「押し入れに軟禁する気ですか?」

私はドラえもんが好きです。

大好きです。

ドラえもんLOVEです。

リスペクトっす。

ドラえもんを好きすぎるあまり、押し入れに布団を敷いてそこで寝泊りしたこともあります。

しかし、身体が痛くなって一週間ほどでやめてしまいました。

やはり人間の身体とロボットの身体は、耐久性が違うようです。

先「……軟禁って愛情表現の一つだよね」

深く考えこんだ表情で先輩はボソッと呟きました。

私「……のび太くんはヤンデレ」

私はパッと思いついた考えを呟きました。

先「……」

私「……」

先「ないね」

私「ないですね」

「のび太君=ヤンデレ」説は、なかったことになりました。

それからしばらく話題が見つからず沈黙が流れました。

それほど気まずいとは感じませんでしたが、このまま沈黙が続けば先輩が暴走します。

嘘です。

このまま沈黙が続けば私が発狂します。

これも嘘です。

特に何も起こりません。

先「みりんちゃんは好きな人はいないんだよね?」

私「いませんよ」

先「じゃあ好きな子のタイプは?」

私「そうですね。アブノーマルなタイプが好きですよ」

アブノーマルなタイプの人ってどんな人でしょうか。

自分で言っておいてアレですが、自分でも想像できません。

野外でSMプレイしちゃう人でしょうか。

それは、性癖がアブノーマルな人です。

想像力が乏しいという欠点がこんなところで仇になりました。

先「ちょっと何言ってるか分からない」

私「えぇー」

先「でも、初めてはノーマルがいいよね☆」

私「ドラえもんズのキャラで例えるならドラリーニョですね!」

先「懐かしい!」

私「怪盗ドラパンてどうなったんでしょうね」

先「もうやめて。懐かしすぎて吐きそう」

なにそれこわい。

吐瀉物まみれの女に欲情するのは、きっと性癖がアブノーマルな人だけです。

私「先輩に一つ聞きたいことがあるんですけど」

先「なに? スリーサイズ?」

そんなものを聞きたがるのは変態検定5級の人だけです。

変態検定1級以上の人は、すでにスリーサイズを把握しています。

その上、脳内で身体をいいように弄ばれています。

まあ、私は変態検定を取得していないのでそんなことしません。

私は好奇心に従って知りたいことを聞きます。

私「どうして先輩はレズだったんですか?」

先「みりんちゃんは話しにくいことをサラッと聞いてくるね」

私「ダメならドリンクバーについて語りましょうか」

ドリンクバーは便利ですよね。

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さあ、今すぐお近くのファミリーレストランへ!

先「ドリンクバーについて語るほど知識ないでしょ」

私「いや、空気を読んで話題を変えようかと思って」

先「空気を読むならその話題を出す前にしてほしかったよ」

変態検定を取得する前に常識を取得しよう、そう思いました。

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絶対にしないでくださいよ?

先「どうしてレズだったのか……うーん、これを説明するのは難しいね」

私「そうなんですか?」

先「うん。だってみりんちゃんは、どうして自分が異性愛者なのか説明できる?」

私「遺伝子にそう組み込まれているからです」

先「みりんちゃんのことは好きだけど、たまに殴りたくなることがあるよ」

先輩はニコニコ笑顔で物騒なことを言います。

できれば肉体言語の使用はベッドの上でお願いします。

私「じゃあ、いつから女の人が好きだったんですか?」

先「たぶん、物心ついた時から」

私「へぇ」

初恋の相手は誰か聞きたいところですが、ここは空気を読んで黙っておきます。

空気を読むところとあえて読まないところの区別なら私もできます。

きっとここはあえて読まないところだと思います。

先「初めて好きになったのは保育士さん」

私「ああ、憧れと好きをいっしょにしちゃったんですか。子どもらしくて可愛いですね♪」

先「私の思い出を汚したいのか知らないけど、少し黙ってようね?」

先輩のニコニコ笑顔が少しずつ崩れていきます。

私はヘラヘラ愛想笑いを浮かべて話の続きを聞きます。

先「それから小学生になって友達の女の子と恋話をするようになったんだけど、男の子には興味を持てなかったなぁ」

私「……」

先「クラスの子だけじゃなくて男性アイドルとか男性芸能人とかにも」

私「……」

先「だから自分が女の子を好きだとちゃんと自覚したのは、小学生の頃だったのかも」

私「……」

先「それから大学生になるまでずっと女の子が好きだった。一度も告白したり付き合ったりしたことはないけどね」

そう言って先輩は、自嘲気味に微笑みました。

私「じゃあ先輩が急に男を好きになれたのは、どうしてですか?」

先「分からない」

私「分からない?」

先「うん。何度も考えたし、今でも時々考えるんだけど、やっぱり分からなかった」

私「そうなんですか」

先「恋愛は理屈じゃないって言うでしょ? だから、そういうことなんじゃないかな」

恋は頭でするのではなく心でするものだから、ということでしょうか。

少しずつ私の知りたいことに近づいている気がします。

先輩なら私の知りたいことついて教えてくれるでしょうか。

私「もう一つ聞いても良いですか?」

先「なに?」

私「人を好きになるってどんなですか?」

先「…………」

私は愛想笑いを浮かべることなく、真面目な顔をして尋ねました。

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