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本『こうして彼は屋上を燃やすことにした』 カミツキレイニー

『こうして彼は屋上を燃やすことにした』 カミツキレイニー イラスト:文倉十 ガガガ文庫

『CLANNAD』『AngelBeats!』の麻枝准氏が賞賛!!



彼氏にフラれた私・三浦加奈は、死のうと決意して高校の屋上へ向かう。

けれどそこには『オズの魔法使い』のキャラ名を自称する不思議な少女「カカシ」、毒舌の「ブリキ」、ニコニコ顔の「ライオン」がいた。

呆気にとられる私にライオンが言う。

「どうせ死ぬなら、復讐してからにしませんか?」

そうして私は「ドロシー」になった。

西の悪い魔女を殺すことと引き替えに、願いを叶える『オズの魔法使い』のキャラクターに。

屋上に広がる私達だけの物語の世界。

広い空の下、屋上にしか居場所のない私たちは、自分に欠けているものを手に入れる。

第5回小学館ライトノベル大賞・ガガガ大賞受賞作。

心に残る、青春ジュブナイル。

つづきはネタバレ注意。

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彼氏にフラレた女が自殺するために屋上へ。

そこにはブリキ・ライオン・カカシを自称するイタイ人達がいた。

彼らは復讐を勧めてくる。

それからお節介焼きの主人公がドロシーとなり、三人の抱える悩みや問題を解決していく。

そして少しずつ浮き彫りになる三人の歪な関係と重く暗い過去。

どこにでもありそうな青春小説だし、全体的にご都合主義の多い作品だった。

抱えている悩みもよくある青春小説のそれ、解決方法は無茶苦茶なうえに適当すぎる。

ライオンの問題に関しては、展開が唐突すぎる上に解決策もひどかった。

髪を金色に染めて、お前はライオンだから自信を持てと奮い立たせ、いじめっ子に立ち向かえと命令するだけなんて……そりゃねーよ。

あとの二人は、教師とのいけない恋愛や好きな人を植物人間にしちゃいましたというもの。

それらの問題に関しても、ポッと出てきた主人公にあっさり解決されてしまいます。

それでもこの作品は、第5回小学館ライトノベル大賞・ガガガ大賞受賞している。

ありきたりさやご都合主義を隠すために『オズの魔法使い』を借用し、目をひくような題名を使用していることが受賞につながっているのではないかと邪推してしまう。

作者あざといな! あざとすぎるぞ!

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