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本『密室の鍵貸します』 東川篤哉

『密室の鍵貸します』 東川篤哉 光文社文庫

烏賊川市シリーズ第一作!



千葉の東・神奈川の西といったあたりにある烏賊川市。

しがない貧乏学生・戸村流平にとって、その日は厄日そのものだった。

烏賊川市に唯一ある大学に通う彼は映画学科に所属している。

映画や映像文化を専門的に学ぶ学科であり、その珍しさから遠くからわざわざやってくる奇特な学生もいる。

開設以来、数々の卒業生を送り出し、そのうちの幾人かは映像メディアでの活躍が顕著である。

もちろん映画学科というくらいだから、映画の世界で活躍している卒業生も少なくない。

戸村流平も映画の世界に身を置き、巨匠名匠として名を残そうと考えていた。

ところが瞬く間に時は流れ、大学三年生になった彼は、自身の才能に限界を感じていた。

そこで一般就職をしようとOBの茂呂耕作という人物と電話で話をした。

以前から戸村のことを気にかけていた茂呂は、いとも簡単に<内定>という言葉をくれた。

こうして戸村は茂呂が勤めている映像制作会社に入社する意志を固めた。

ところが、そのことを恋人の紺野由紀に話すと、突然別れを切り出されてしまう。

監督を目指し努力していた戸村に惹かれていたのに、聞いたこともないような中小企業に入社することを決めてしまったからだという。

彼が弁明しても彼女が話を聞いてくれることはなく、結局二人は別れることに……。

落ち込んだ戸村をなぐさめるために茂呂が自宅に招いて映画鑑賞会を開いてくれることになった。

戸村と茂呂は『殺戮の館』という一本のマイナー映画を見ながら飲み明かす。

しかし、戸村が目を覚ますと恐ろしい光景が目の前に広がっていた。

いっしょにいた茂呂耕作が浴室で刺されて殺されていたのだ!

家には鍵がかけられ、窓にも侵入されたような形跡がなかった。

しかも彼を手ひどく振った紺野由紀も背中を刺され、四階から突き落とされて死亡したということを知る。

かくして別々の場所で起こった二つの殺人事件の第一容疑者となった戸村流平。

何がなんだか分からなくなった彼は、ある人物に助けを求めることにする。

姉貴の元夫で、自分にとっては元義兄。

名前は鵜飼杜夫。

職業は――私立探偵。

【関連リンク】

本『密室の鍵貸します』

本『密室に向かって撃て!』

本『交換殺人には向かない夜』


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この記事に対するコメント

無題

おお、こういう設定は私が結構好きな方向の読み物です♪

夢に挫折した主人公と、彼を受け入れた(?)OB、夢い挫折した主人公から離れた恋人……なんて彼らの内面も書かれているとしたら、私は好きかも知れないです♪

【2012/06/26 22:53】光一 #5331d7ba51(URL)[編集]

無題

お好きな設定ですか。シリーズ第一作目なので図書館などで試読してから読むことを検討してください。

残念ながら彼らの内面は、ほとんど書かれていません。この作品は「なぜ殺したのか」という犯人の動機よりも「どうやって殺したのか」という犯人の殺害方法を主軸に描かれていますから。光一さんの求めている作品かどうかは分かりません。

【2012/06/27 01:21】three #7dd1f3efa1()[編集]

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