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2011/09/03 本『鹿男あをによし』 万城目学
本『鹿男あをによし』 万城目学 幻冬舎 そうだ奈良へ行こう。 鹿せんべいを食べに。 去年の秋、主人公「おれ」は大学院の研究室にいる助手の論文データを消して以来、研究室
2009/03/10 本 『鴨川ホルモー』
本『鴨川ホルモー』 万城目学 産業編集センター そうだ京都へ行こう。 ホルモーを観戦するために。 京都大学一回生の安倍と高村は、葵祭でのバイトを終えて帰る途中、サークル
2008/09/27 本『ホルモー六景』
本『ホルモー六景』 万城目学 角川書店 鴨川ホルモーのスピンオフ作品。 あの人たちはどうなったの? ホルモーとは——。 陰陽道に基づいて鬼を式神として使い、十名で構成さ

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本『鹿男あをによし』 万城目学

『鹿男あをによし』 万城目学 幻冬舎

そうだ奈良へ行こう。

鹿せんべいを食べに。



去年の秋、主人公「おれ」は大学院の研究室にいる助手の論文データを消して以来、研究室での居場所を失ってしまった。

また、今年になって半年以上かけた自分の実験に失敗してしまう。

その時、おれに論文データを消された助手が「ざまあみろ」と暴言を吐いたのを聞いた瞬間、おれは助手につかみかかっていた。

研究室の連中に取り押さえられた二人は教授に呼ばれた。

喧嘩の原因を訊かれ、助手は何も言っていないと譲らなかった。

そのせいで「きみは神経衰弱だから」と喧嘩の原因がおれにあると言い、おれのあだ名は「神経衰弱」になってしまったのだ。

教授は定食屋におれを呼び出して、大学を休んでみてはどうかと提案してきた。

その提案というのは、奈良にある女子校で二学期だけの常勤講師として勤めることだった。

この提案には、助手が新しい研究をするためにおれがいつも使っている機材を使いたいから研究を中断してほしいという意味が込められていた。

その場で決断できなかった彼だが、翌日研究室に行くとすでに助手が機材を使って研究を始めていた。

仕方なくおれは教授に奈良に行くことを承諾する。

九月(長月)の半ば、「1−A」の教室に入ったおれは出席をとった。

全員いると思っていたが、一人いないことに気づき、名前を確認すると——堀田イトとある。

そのとき、教室の後ろのドアが開き、女子生徒が入ってきた。

堀田だと思って呼びかけると、彼女はものすごい形相で睨んできた。

さらに遅刻した理由を問いただすと、駐禁を取られたと言う。

しかもマイカーではなく、マイシカだと言い出す。

それからというもの、おれは事あるごとに堀田と口論した。

どうしてもおれと堀田は相性が良くないようだった。

ある朝、おれが大仏殿の裏の原っぱで休んでいると一頭の雌鹿と二頭の雄鹿が歩いてきた。

雌鹿はおれをじっと見つめる。

異様な状況にもかかわらず、彼は立ち上がることができなかった。

雌鹿が口元をもぐもぐしているので、まるでしゃべろうとしているみたいだと感じた。

そう感じた時、鹿が「びい」と鳴いた。

さらに

「鹿せんべい、そんなにうまいか」

おれが鹿せんべいを食べたことを知っていた。

そして

「さあ、神無月だ——出番だよ、先生」

と口にしたのだ。

おれは、中年男の声を出す雌鹿と出会ったことで“運び番”に選ばれる。

そして京都に行って“目”という鎮めの儀式に用いる神宝をもらってくることを命じられた。

日本が滅ぶか残るかは、おれにかかっていると鹿は言った。


設定やストーリーは少し違いますが、ドラマ化もしています(・∀・)

「あをによし」とは、和歌の枕詞。

あをによし 奈良の都は 咲く花の 薫ふがごとく 今盛りなり

諸説あるが、「青丹よし」で建物の青色と丹色の色づかいが鮮やかで、都の眺めはグッドだなあという意味らしい。

本書から引用<(_ _)>

【関連リンク】

『鹿男あをによし』

『ホルモー六景』

『鴨川ホルモー』

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本 『鴨川ホルモー』

 万城目学 産業編集センター

そうだ京都へ行こう。

ホルモーを観戦するために。



京都大学一回生の安倍と高村は、葵祭でのバイトを終えて帰る途中、サークルの勧誘をされる。

サークルの名前は、京都大学青龍会。

一見、広域指定暴力団か怪しげな宗教サークルと間違えられそうなこのネーミング。

渡されたビラには、まったく新しいタイプのサークル、と書かれている。

不審に思いながらも少しだけ興味を持った二人は、新歓コンパに参加することにした。

そのコンパで安倍は、同じ京都大学の早良京子と出会い、彼女の整った鼻に一目惚れする。

彼は彼女のことをもっと知りたくなり、高村と共に入会する。

彼らの他に芦屋、楠木ふみ、三好兄弟など総勢十人が新しいメンバーになった。

サ−クル活動のほとんどは、ハイキングやキャンプなどの野外レクリエーションだった。

だが、太平楽に毎日を過ごす彼らの背後に確実に「ホルモー」の影が近づいてきていた。

そして、とうとう「ホルモー」について知るときがやってきた。

上回生に連れられて、吉田神社にやってきた彼らはそこでオニと契約を結ぶ。

その契約を結んで初めて「ホルモー」を始めることができる。

ホルモーとは——。

陰陽道に基づいて鬼を式神として使い、十名で構成された大学のグループ同士が対戦する競技。

言い換えると、千匹と千匹のオニを引き連れて、京都市内で行う戦争ごっこ。

それを行うためには、オニと契約を結ばなければならない。

その契約を結んだものたちだけが「ホルモー」を始めることができる。

契約を結ぶのは、京都大学青竜会、立命館大学白虎隊、京都産業大学玄武組、龍谷大学フェニックスの各サークルメンバー十人(一人百匹ののオニを使役する)

比較的平和な競技であるが、自分のオニ達が全滅すると使役していた者は「ホルモー」と叫ばなければならなくなる。

というよりも、叫ばずにはいられないのだ。

その後、自分の大事なものやくだらないものを失ってしまうと経験者は語る。

ちなみに、オニは契約した者にしか見えない。

オニには、攻撃部隊と補給部隊という役割分担がある。

攻撃部隊のオニは槍を持って攻撃する。

補給部隊のオニは使役者からレーズンをもらって倒されたオニに与えて復活させる。

【関連リンク】

『鹿男あをによし』

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本『ホルモー六景』

 万城目学 角川書店

鴨川ホルモーのスピンオフ作品。

あの人たちはどうなったの?



ホルモーとは——。

陰陽道に基づいて鬼を式神として使い、十名で構成された大学のグループ同士が対戦する競技。

言い換えると、千匹と千匹のオニを引き連れて、京都市内で行う戦争ごっこである。

それを行うためには、オニと契約を結ばなければならない。

その契約を結んだものたちだけが「ホルモー」を始めることができる。

契約を結ぶのは、京都大学青竜会、立命館大学白虎隊、京都産業大学玄武組、龍谷大学フェニックスの各サークルメンバー十人(一人百匹ののオニを使役する)

比較的平和な競技であるが、自分のオニ達が全滅すると使役していた者は「ホルモー」と叫ばなければならなくなる。

というよりも、叫ばずにはいられないのだ。

その後、自分の大事なものやくだらないものを失ってしまうと経験者は言う。

ちなみにオニは契約した者にしか見えない。


オニには、攻撃部隊と補給部隊という役割分担がある。

攻撃部隊のオニは槍を持って攻撃する。

補給部隊のオニは使役者からレーズンをもらって倒されたオニに与えて復活させる。


【プロローグ】

京都大学の学食で小さな口喧嘩をする安倍と高村。

彼らは京大青龍会というサークルに所属し、ホルモーを始めて三年目。

今年も何も知らずに入学してきた新入生達をたぶらかし「ホルモー」の犠牲者にするのだ。


第一景【鴨川(小)ホルモー】

京都産業大学玄武組には、二人静がいる。

二人静こと定子と彰子は、京都の北山にあるレディース・マンションに住んでいる。

仲の良い二人で、行動するときは常に一緒だった。

それはもちろん、ホルモーの時も同じことである。

ホルモーにおいて、女性は補給部隊になることが多い。

だが、彼女らは二人静という通り名を持ちながら、前線で果敢にオニを戦わせる。

その戦い方を見た者は、オニたちが回り続けると言う。

つまり、オニたちが回りながら攻めてくるのだ。

一見無鉄砲な戦い方「夢想花アタッキング」だが、これがとても強い。

この戦い方に弱点はないが、オニを使役する二人静自身に弱点があったのだ。

「夢想花アタッキング」は、二人の関係のバランスが取れて成せる戦い方。

しかし、二人のバランスが崩れたとき、「夢想花アタッキング」は全く使えないのだ。

そして恐れていたことが実際に起こってしまう。

二人はその関係を修復するため、個人的にオニをつかって鴨川でホルモーを行うことに——。


第二景【ローマ風の休日】

ある日、僕がバイトしているイタリア料理店「ann's cafe」に女性のアルバイトがやってきた。

その人はぎこちない動きをして、くぐもった声で挨拶をした。

彼女は僕が名前を教えても僕のことを「少年」と呼んだ。

その人が店にやってきて、一ヶ月後の八月の半ばの日曜日、僕は生まれて初めてデートをした。

その人の名前は、楠木ふみという。

彼女はバイト中、いつも口数が少なかった。

そのせいでバイト仲間からはあまり良く思われていなかった。

そんなある日、店長不在で団体客の予約が多いときに店を切り盛りしなければならなくなった。

慌てるバイトメンバーだが、楠木ふみが店長代理を務めると言い出した。

入ったばかりの彼女だが、彼女は店長並に、いや、店長以上に店長役をやってのけた。


第三景【もっちゃん】

安倍は入学から仲の良かった「もっちゃん」という男から恋愛の打ち明け話を聞く。

なかなか思いを伝えられないもっちゃんに安倍はラブレターを書くことを勧める。

彼の要望で安倍もラブレターを書く羽目になるが、ふざけた絵ばかりを描いて封をした。

翌朝、思い人が現れる時間間近に起床したもっちゃんは、慌てるあまり、安倍が書いた手紙をもっていってしまい、ふられた。

その後、もっちゃんは小説家になった。

ある日、安倍にもっちゃんからの手紙が届き、そこにはもっちゃん愛用の懐中時計が同封されていた。

注:ここでの安倍は、主人公の安倍とは別の人物です。


第四景【同志社大学黄竜陣】

尊敬する桂先生がいる同志社大学を受験した巴は、運が悪く落ちてしまう。

一緒に京都に受験のために来ていた彼氏は、念願の京都大学に受かった。

春から巴は予備校に通い始め、夏休みの始まる前に彼氏の芦屋とは別れた。

彼氏に腹を立てながら勉強した巴は急速に成績が上がり、二度目の挑戦で同志社大学に入ることが出来た。

同志社大学は一、二回生は京田辺キャンパス、三回生からは今出川キャンパスとなる。

桂先生は残念ながら京田辺キャンパスで授業をしていない。

さらに桂先生は、今年で退官してしまうという衝撃的な情報を知らされる。

悔やんでも悔やみきれない巴は、桂先生の授業を受けようと今出川キャンパスに行く。

そこで偶然憧れの桂先生に会うことはできたものの、誰かと勘違いされて頼み事を頼まれる。

書庫に向かい頼まれた袋に入った書類を持ってきて、袋を書庫に戻すために再び戻ってくると古い木箱を見つける。

箱を開けると中には四枚の手紙があった。

その一枚目には『horumo』の文字が——。

彼女はその手紙を自力で解読しようと試みる。


第五景【丸ノ内サミット】

所変わって舞台は東京。

青山で会社勤めをしている井伊直子は、GW直前に同僚から誘われて合コンに行くことになった。

同じ頃、赤坂で会社勤めをしている榊原康もGW直前に同僚から誘われて合コンに行くことになった。

場所は丸ノ内。

約束の店に四人が集まり、挨拶から始めようというときだった。

直子は康を見て驚き、同様に康は直子を見て驚いた。

それもそのはず康は、京都産業大学玄武組第四百九十八代会長。

直子は、龍谷大学朱雀団第四百九十八代会長なのだから。

ぎこちない雰囲気を漂わせながらも徐々に楽しい雰囲気になっていく合コン。

大学時代は、話もしなかった二人だが徐々に互いの魅力に惹かれ始める。

合コンも終わりテラスで休んでいると、康と直子は空に飛ぶ黒い物体を目にする。

それは二人が京都で散々使役してきたオニたちだった。


第六景【長持の恋】

立命館白虎隊、細川珠実の時代を超えた切ない恋物語。

貧乏生活を送っていた珠実は、アルバイト雑誌で見かけた料亭「狐のは」でバイトを始める。

そして二月、「狐のは」の蔵へ行く用事ができた珠実は織田信長が使っていたという長持を見つける。

そこには「なべ丸」という名前の書かれた板切れが入っていた。

これを見た珠実は、突然何を思ったか自分の名前を書き込んでしまう。

慌てて消そうとするが消えない。

だが、翌日その長持を見てみると「なべ丸」という人物の書いた文章が表れた。

その日から「なべ丸」と「おたま」の文通が始まった。

【関連リンク】

『鹿男あをによし』

『ホルモー六景』

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