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2012/07/24 本『棘まで美し』 武者小路実篤
本『棘まで美し』 武者小路実篤 新潮文庫 薔薇は棘まで美しい。 そして人間も欠点まで美しい人がいる――。 僕が散歩していると一人の青年が画をかいていた。 元来僕は画家な
2012/07/08 本『愛と死』 武者小路実篤
本『愛と死』 武者小路実篤 友人・野々村の妹・夏子は、非常に変わった女である。 逆立ちと宙がえりが得意で活発で、美しい美貌を持つ女性だ。 小説家の村岡は野々村の紹介で夏子と知
2012/07/05 本『友情』 武者小路実篤
本『友情』 武者小路実篤 脚本家の野島と作家の大宮は互いに尊敬し合い、深い友情で結ばれている関係だ。 二人とも仕事に力を注いでいるが、成果は大宮のほうがやや上だ。 なかなか野

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本『棘まで美し』 武者小路実篤

『棘まで美し』 武者小路実篤 新潮文庫

薔薇は棘まで美しい。

そして人間も欠点まで美しい人がいる――。



僕が散歩していると一人の青年が画をかいていた。

元来僕は画家なので、彼が何をかいているのかと気になったので見にいった。

自分はその画を見て驚いた。

それは僕の死んだ友達の画に似ていた。

彼は竹谷次郎といい、やはり死んだ友の息子だった。

現在は母一人子一人で暮らしており、貧しい生活を送っているという。

友は、女のことで自殺してしまったことを知らされた。

彼の母親は、息子も女が原因で死んでしまうのではないかと心配しているらしい。

それから僕は自分のアテリエに呼んでやったり金を工面してやったりと気にかけた。

そんなある日、遠い親戚から娘を上京させて学校に通わせたいから僕のところへ預けたいという依頼をうけた。

僕も妻も娘もそれを快く引き受けた。

そしてやってきたのは吉村貞子という美しい女だった。

吉村は快活な女で、僕の娘などとはちがって男の人と話をするのも平気だった。

僕のアテリエでモデルになることもあり、若い連中といっしょに画をかくようにもなった。

その中には竹谷もいたが、彼は話に入ろうとしなかったし、吉村の画を酷評した。

吉村は竹谷のことは嫌っていたが、彼の画のすごさは認めていた。

しかし彼女は竹谷の画よりも山根の描く画に惹かれていた。

竹谷は山根をライバルとして意識していたが、山根は競走馬ではないと気にしていなかった。

美しい棘をもった美少女、吉村貞子と彼女に心をよせる対照的な二人の青年。

気むずかしく孤独で貧しいが、天賦の才能溢れる竹谷。

紳士で金持でもあり、画家として腕のすぐれた山根。

彼らの清らかな恋愛と友情、ひたむきな芸術への愛を、人間の棘―欠点―までも深く愛した作者が独特の善意で描いた抒情小説。

本『愛と死』 武者小路実篤

本『友情』 武者小路実篤

本『棘まで美し』 武者小路実篤

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本『愛と死』 武者小路実篤

『愛と死』 武者小路実篤



友人・野々村の妹・夏子は、非常に変わった女である。

逆立ちと宙がえりが得意で活発で、美しい美貌を持つ女性だ。

小説家の村岡は野々村の紹介で夏子と知り合う。

彼らは往来であいさつをしたり時には立ち止まって談笑したりした。

ある日、村岡は誕生会の余興の席で夏子に窮地を救ってもらう。

以来、彼は彼女に強く惹かれ、二人は結婚を誓う仲となった。

だが結婚する前に村岡は小説の勉強のために外国へ行くことになっていた。

そのため結婚は半年後の予定である。

二人は離れている間、手紙のやり取りをすることにした。

何通も何通も手紙を送り合った。

そして村岡が日本に帰る日が近づくたびに夏子は喜びを手紙の書いた。

ところが、村岡が無事洋行を終えて帰国する船中に届いたのは……夏子急死の報せだった。

至純で崇高な愛の感情を謳う、不朽の恋愛小説。

本『愛と死』 武者小路実篤

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本『友情』 武者小路実篤

『友情』 武者小路実篤



脚本家の野島と作家の大宮は互いに尊敬し合い、深い友情で結ばれている関係だ。

二人とも仕事に力を注いでいるが、成果は大宮のほうがやや上だ。

なかなか野島の脚本を良い評価をしてくれる人はいなかった。

それでも大宮はいつも野島を勇気づけてくれていた。

そんなある日、野島は友人の仲田の妹・杉子に恋をする。

固い友情で結ばれた大宮に包み隠さず打ち明けると、やはり大宮は親身になって話を聞いてくれた。

杉子に会うために仲田の家へ大宮と共に行くと、彼女はいつでも自分たちに無邪気な笑顔を向けてくる。

野島は杉子に大切にされている感覚を覚え、なぜか大宮は杉子に対していつも冷淡な対応をしていた。

月日は流れてある時、大宮が「ヨーロッパに旅立つ」と野島に告げる。

野島は友人と別れる寂しさと杉子を一人占めできる安心感の狭間で悩む。

だがそれ以来、杉子の家には行かなくなり遊ばなくなってしまう。

野島は思い切って杉子にプロポーズをしたが、あっけなく断られる。

それから杉子は突如ヨーロッパへ旅立ち、その後野島のもとに一冊の本が届く。

それは大宮が抱き続けていた心の内を明かしたものだった。

そして野島は失恋の苦しみに耐え、仕事の上で大宮と決闘しようと誓うことになる。

青春時代における友情と恋愛との相克をきめこまかく描き、時代を超えて読みつがれる武者小路文学の代表作。

本『愛と死』 武者小路実篤

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