忍者ブログ
HOME > 雑記 > 三記『『Three!! About A Boy』 1 RSS   Admin NewEntry Comment
少しイカレてるくらいがちょうどいい
三記『『Three!! About A Boy』 1

小さい頃の私は、毎日泣いてばかりいた。

虐待を受けていたわけじゃない。

毎日のように理由も解らず、祖父に怒鳴られ、物置に閉じ込められたのだ。

私は、閉じ込められる度に声を押し殺して泣いた。

大声で泣きわめいても誰も助けてくれない。

それに大声で泣きわめいたら、その分彼の怒りが増して物置にいる時間が長くなる。

だから、唇を噛みしめて声が外に漏れないよう静かに泣いた。

祖父が怒る理由を何度か考えたことがある。

しかし、答えは見つからなかった。

歳の離れた兄は、何度も叱られて慣れたみたいだが、私は全く慣れなかった。

そして何十回目かの物置行きで涙を流していた私は、悟った。

「我慢しよう。我慢をすれば怒られないで済む。泣いた後に頭が痛くなるのは、もう嫌だ」

それから私は、自分の感情を押し殺して過ごし始めた。

欲しいおもちゃがあっても一度もねだらなかった。

家族の言うことに従い、家の手伝いを自分からするようにした。

努力の甲斐あって、これらは怒られることとは違い、すぐに慣れた。

しかし、この努力は全て無駄だと知ったのは、すぐのことだった。

祖父は、私が静かに過ごしていても怒った。

やっぱり理由は、解らなかった。

私は、物置で泣いていると悲しみとは別の感情が生まれた。

怒りだった。

理由もなく叱る祖父に対する怒りよりも自分に対しての怒りが強かった。

「怒られるのは、誰のせいでもない。自分が悪い!」

「弱いからいけないんだ。弱い奴がいけないんだ。弱くちゃ意味がないんだ!」

「強くなりたい!」

「いつか強くなって祖父をぶん殴ってやる」

心の底からそう思った。

だけど、私が祖父を殴ることはなかった。

何故か。

祖父が死んだから。

毎日のように酒を飲み、毎日のように煙草を吸い、毎日のように家族に対して怒った祖父は、もういない。

病院のベッドの上で死んだ。

「死んで当然だ」

色々な意味で私は、そう思った。




読んでくださってありがとうございます<(_ _)>
人気ブログランキング


これは、小説『Three!!』シリーズの第一章『Three!! About A Boy』をブログ風に書いたものです。

副題の『About A Boy』は、 NIRVANA の曲「About A Girl」からパクリました。

拍手[0回]

PR
postこの記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
[254]  [253]  [252]  [251]  [250]  [248]  [247]  [245]  [244]  [216]  [234
カテゴリー
言ってはいけない 残酷すぎる真実
ブラック企業から残業代を取り戻す
進め!! 東大ブラック企業探偵団
不死の猟犬
ひらめき教室 「弱者」のための仕事論
作家の収支
残業税
江戸の少年
「好き嫌い」と才能
ゴールデンカムイ
小説 君の名は。
いなくなれ、群青
フーゾク店で彼氏はできるか?
七日の喰い神
ボーパルバニー
アーカイブ
アルファポリス
カウンター
人気ブログランキング

日本ブログ村
ブログランキング・にほんブログ村へ
brogram
blogramのブログランキング
最新CM
[05/17 three]
[05/16 紅玉]
[04/28 three]
[04/28 紅玉]
[04/14 three]
[04/14 紅玉]
[04/13 three]
[03/09 three]
[03/08 紅玉]
[03/03 three]
TSUTAYAonline
ブックオフオンライン
ブックオフオンライン
プロフィール
HN:
three
趣味:
本、音楽、映画、格闘技
おすすめ商品
おすすめ商品
おすすめ商品
おすすめ商品
バーコード
NINJA
120%CRAAZY Produced by three
日めくりカレンダーBLUE Designed by がりんぺいろ
忍者ブログ [PR]